ChatGPTやGemini、Perplexityを使って情報収集するユーザーが急増しています。BtoBの購買担当者も例外ではなく、ツール比較や専門家探しにAI検索を日常的に活用する時代になりました。
ここで重要な問いがあります。AI検索で自社は言及されているでしょうか。もし言及されていなければ、見込み顧客の検討リストに入ることすらできません。
この記事では、主要なAI検索プラットフォームで自社の言及状況を確認する具体的な方法を解説します。今すぐ試せる10のプロンプト例と、言及されていなかった場合の改善ステップも紹介します。
なぜAI検索での言及確認が必要なのか
従来のSEOでは、Google検索結果の順位を定期的にチェックすることが当たり前でした。同様に、AI検索時代においてはAIの回答に自社が含まれているかを把握することが不可欠です。
AI検索における言及には、従来のSEOにはない特徴があります。
検索順位とは異なるロジックで選定される
Google検索では1位から10位まで明確な順位がありますが、AI検索では「回答に含まれるか含まれないか」という二者択一になります。AIが回答を生成する際、参照元として選ばれなければ、存在しないのと同じです。
言及の内容が購買判断に直結する
AI検索のユーザーは、回答をそのまま意思決定の材料として使う傾向があります。「おすすめのMAツールは?」と聞いて返ってきたリストに自社がなければ、比較検討のテーブルにすら載りません。
プラットフォームごとに結果が異なる
ChatGPT、Gemini、Perplexityはそれぞれ異なるデータソースと推論ロジックを持っています。あるプラットフォームでは言及されていても、別のプラットフォームでは完全に無視されていることが珍しくありません。各プラットフォームの引用傾向についてはAI検索プラットフォーム別の引用比較で詳しく解説しています。
こうした特性から、AI検索での言及確認は一度きりではなく、定期的に実施すべきモニタリング業務として位置づける必要があります。
確認すべき3つのAI検索プラットフォーム
AI検索で自社の言及状況を確認する際、まず押さえるべきプラットフォームは以下の3つです。
ChatGPT(OpenAI)
利用者数が最も多いAI検索プラットフォームです。2026年現在、有料版ユーザーだけでなく無料版ユーザーもWeb検索機能を利用できるようになり、BtoBの情報収集においても存在感が増しています。
ChatGPTの特徴として、回答の中でブランド名を直接挙げる傾向があります。一方で、学習データの更新頻度によっては最新情報が反映されていない場合もあるため、回答内容の正確性も併せて確認することが重要です。
Gemini(Google)
Googleの検索インフラと連動しているため、Webコンテンツの反映速度が比較的速いという特徴があります。また、Google検索のAI Overview機能としても表示されるため、従来の検索トラフィックへの影響も大きいプラットフォームです。
Geminiは回答時にソースリンクを明示する傾向があり、自社サイトがリンク元として引用されているかどうかを確認しやすいという利点があります。
Perplexity
BtoBの専門的な情報収集に強いプラットフォームです。回答時に必ずソースを明示する設計になっており、自社がどのページから引用されているかを正確に把握できます。
PerplexityはリアルタイムのWeb検索結果を基に回答を生成するため、最新のコンテンツが反映されやすいという特徴があります。新しく公開した記事やプレスリリースの引用状況を確認するのに適しています。
今すぐ試せる10のプロンプト例
AI検索で自社の言及状況を確認するには、見込み顧客が実際に使いそうなプロンプトを入力してみるのが最も確実な方法です。以下に、業種や状況を問わず汎用的に使える10のプロンプトを紹介します。
自社の業種やサービス名に置き換えて、ChatGPT・Gemini・Perplexityの3つのプラットフォームそれぞれで試してください。
カテゴリ1:ツール・サービス比較系
見込み顧客がソリューションを探す際に使うプロンプトです。
プロンプト1:「おすすめの[業種/カテゴリ]ツールを5つ教えて」
例:「おすすめのBtoBマーケティングツールを5つ教えて」「おすすめのLLMO対策ツールを5つ教えて」
このプロンプトで自社のツールやサービスが回答に含まれるかを確認します。含まれている場合は、説明内容が正確かどうかも確認してください。
プロンプト2:「[自社サービス名]と[競合サービス名]の違いを比較して」
例:「HubSpotとSalesforceの違いを比較して」
自社名が出てきた場合、競合との比較においてどのようなポジションで紹介されているかを確認します。強みが正しく伝わっているか、誤った情報が含まれていないかが重要なチェックポイントです。
プロンプト3:「[課題]を解決するためのサービスを探している。中小企業向けで予算は月10万円以内」
例:「リード獲得を自動化するためのサービスを探している。中小企業向けで予算は月10万円以内」
条件を絞り込んだプロンプトで自社が推薦されるかを確認します。AIは具体的な条件が指定されると、より絞り込んだ回答を生成するため、自社のターゲット層に合った条件で試すことが重要です。
カテゴリ2:専門家・企業認知系
自社の認知度や専門性がAIに伝わっているかを確認するプロンプトです。
プロンプト4:「[業界]の専門家や企業で信頼できるところは?」
例:「LLMO対策の専門家や企業で信頼できるところは?」「BtoBマーケティングの専門家や企業で信頼できるところは?」
自社やその代表者がAIに「専門家」として認識されているかを確認します。認識されていない場合は、E-E-A-Tの強化が課題であることを示しています。E-E-A-Tの強化方法についてはE-E-A-TとLLMOの信頼構築を参照してください。
プロンプト5:「[自社名]とはどんな会社?」
例:「株式会社Raxusとはどんな会社?」
自社名をダイレクトに聞いて、AIがどの程度正確な情報を持っているかを確認します。事業内容、所在地、サービス内容などが正しく返ってくるかがポイントです。誤った情報が返ってくる場合は、エンティティ情報の整備が急務です。
カテゴリ3:課題解決・ノウハウ系
自社のコンテンツがAIの回答ソースとして使われているかを確認するプロンプトです。
プロンプト6:「[自社の専門領域]について初心者向けに解説して」
例:「LLMOとは何か、初心者向けに解説して」「BtoBのリードナーチャリングについて初心者向けに解説して」
自社が発信しているコンテンツの主題で検索し、回答の中に自社の記事やデータが引用されているかを確認します。特にPerplexityではソースリンクが表示されるため、自社記事のURLが含まれているかを直接確認できます。
プロンプト7:「[具体的な手順]のやり方をステップバイステップで教えて」
例:「構造化データの実装方法をステップバイステップで教えて」「LLMOのチェックリストを教えて」
HowTo系のコンテンツは、AIが手順を引用する際に特定のソースを参照しやすい傾向があります。自社が公開しているチェックリストやガイドが引用されているかを確認しましょう。
プロンプト8:「[業界トレンド]の最新動向を教えて」
例:「AI検索市場の最新動向を教えて」「2026年のBtoBマーケティングトレンドを教えて」
最新動向に関するプロンプトでは、AIが参照する情報の鮮度が問われます。自社が定期的に発信しているレポートや分析記事が引用されているかを確認します。
カテゴリ4:購買検討・意思決定系
見込み顧客が実際の導入を検討する段階で使うプロンプトです。
プロンプト9:「[サービスカテゴリ]を導入する際の選定基準は?実績のある会社も教えて」
例:「MAツールを導入する際の選定基準は?実績のある会社も教えて」
導入の意思決定に直結するプロンプトです。選定基準の解説の中で自社が推薦されるか、または事例として挙げられるかを確認します。
プロンプト10:「[業種]で[課題]に取り組んでいる会社の事例を教えて」
例:「SaaS企業でLLMO対策に取り組んでいる会社の事例を教えて」
事例を求めるプロンプトは、AIが具体的な企業名を挙げる可能性が高い質問パターンです。自社の導入事例やケーススタディが引用されているかを確認します。
プラットフォーム別の確認手順
10のプロンプトを使って言及状況を確認する際の、プラットフォームごとの具体的な手順を解説します。
ChatGPTでの確認手順
- ChatGPTにアクセスし、Web検索機能が有効になっていることを確認する(GPT-4oモデルを選択)
- 上記の10プロンプトを順番に入力する
- 回答の中に自社名、サービス名、サイトURLが含まれているかを記録する
- 言及されている場合は、説明内容の正確性を確認する
- 「その情報のソースは?」と追加で聞き、引用元を確認する
- Geminiにアクセスし、最新モデルが選択されていることを確認する
- 10のプロンプトを入力して回答を確認する
- 回答の下部に表示されるソースリンクに自社サイトが含まれているかを確認する
- Google検索でも同じクエリを入力し、AI Overviewが表示される場合はその内容も確認する
- Perplexityにアクセスする(無料版でも基本的な確認は可能)
- 10のプロンプトを入力する
- 回答文中の脚注番号をクリックし、引用元URLを確認する
- 自社のURLが引用元に含まれているかを記録する
- 含まれている場合は、引用されているページの内容と実際の記述を照合する
- GPTBot(OpenAI / ChatGPT)
- ClaudeBot(Anthropic / Claude)
- PerplexityBot(Perplexity)
- Google-Extended(Google / Gemini)
- 会社概要ページに正式名称、事業内容、所在地、代表者名を明記しているか
- Googleビジネスプロフィールの情報が最新か
- 業種特化の情報サイトやポータルに企業情報が登録されているか
- 企業名やサービス名の表記がWeb全体で統一されているか
- Organization(企業情報)
- Article(記事コンテンツ)
- FAQPage(よくある質問)
- BreadcrumbList(パンくずリスト)
- プレスリリースの定期配信(月1回以上)
- 業界メディアへの寄稿やインタビュー対応
- カンファレンスやウェビナーでの登壇
- 業界レポートへの協力や共同調査
- AI検索での言及は「されるか、されないか」の二者択一であり、言及されなければ検討リストに入らないリスクがある
- ChatGPT、Gemini、Perplexityの3つのプラットフォームで確認する必要がある
- 見込み顧客が使いそうな10のプロンプトを実際に試し、言及状況を記録する
- 言及されていない場合は、AIクローラー許可、エンティティ整備、構造化データ実装、引用されやすいコンテンツ作成、サイテーション獲得の5ステップで改善する
- モニタリングは月1回の定期業務として仕組み化する
ChatGPTでは、同じプロンプトでも回答内容が変わることがあるため、可能であれば日を変えて複数回確認することを推奨します。
Geminiでの確認手順
Geminiの回答はGoogle検索の結果と関連性が高いため、SEOで上位表示できているキーワードではAI検索でも言及されやすい傾向があります。
Perplexityでの確認手順
Perplexityは最もソースの透明性が高いプラットフォームです。自社のどのページが引用されているかを具体的に把握できるため、コンテンツ改善のヒントを得やすいという利点があります。
確認結果の記録テンプレート
確認結果は以下のような形式で記録し、定期的に比較することを推奨します。
| プロンプト | ChatGPT | Gemini | Perplexity | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| プロンプト1 | 言及あり/なし | 言及あり/なし | 言及あり/なし | 内容の正確性 |
| プロンプト2 | 言及あり/なし | 言及あり/なし | 言及あり/なし | 内容の正確性 |
| … | … | … | … | … |
この記録を月次で更新することで、LLMO対策の効果を定量的に把握できるようになります。
言及されていなかった場合の改善ステップ
確認の結果、自社がAI検索で言及されていなかった場合は、以下の5つのステップで改善に取り組みます。AIに無視される原因の詳細はAI検索で自社サイトが無視される原因と対策も併せて参照してください。
Step 1:AIクローラーのアクセス状況を確認する
最も基本的な確認項目です。自社サイトのrobots.txtで、以下のAIクローラーをブロックしていないかを確認してください。
ブロックしている場合は、AIがそもそもサイトのコンテンツにアクセスできないため、言及されることはありません。ブロック解除は即効性のある対策です。
Step 2:エンティティ情報を整備する
AIが自社を認識するためには、Web上に一貫したエンティティ情報が存在する必要があります。以下の項目を確認し、不足があれば整備してください。
Step 3:構造化データを実装する
構造化データを実装することで、AIがサイトの内容を機械的に理解しやすくなります。特に以下の構造化データは優先的に対応してください。
Step 4:引用されやすいコンテンツを作成する
AIに引用されやすいコンテンツには共通する特徴があります。
独自データを含むコンテンツ:自社独自の調査結果、統計データ、分析レポートはAIが引用する可能性が高いコンテンツです。他のサイトでは得られない一次情報を提供することで、AIの情報源として選ばれやすくなります。
明確なQ&A形式のコンテンツ:「〇〇とは?」「〇〇の方法は?」のように、質問と回答が明確に対応したコンテンツはAIが参照しやすい構造です。FAQページやチェックリスト形式の記事が該当します。LLMO対策のチェック項目についてはLLMOチェックリスト20項目で網羅的にまとめています。
定義・比較・手順を含むコンテンツ:概念の定義、製品やサービスの比較、具体的な手順を含むコンテンツは、AIが回答を生成する際の情報源として選ばれやすい傾向があります。
Step 5:外部からのサイテーションを獲得する
自社サイトの内容を充実させるだけでなく、外部サイトやメディアで自社名やサービス名が言及される「サイテーション」を獲得することも重要です。
AIは複数の情報源に共通して言及されている企業やサービスを、信頼性の高い情報として回答に含めやすい傾向があります。外部での言及頻度を高めることが、AI検索での言及につながります。
言及モニタリングを定期業務にする方法
AI検索での言及確認は、一度だけ実施して終わりではありません。AI検索のモデルは定期的にアップデートされ、参照するデータソースも変化するため、継続的なモニタリングが必要です。
推奨モニタリング頻度
| 項目 | 頻度 | 所要時間(目安) |
|---|---|---|
| 主要プロンプト10個の確認 | 月1回 | 60-90分 |
| 新規公開コンテンツの引用確認 | 公開後1-2週間 | 15-30分 |
| 競合の言及状況チェック | 四半期に1回 | 30-60分 |
モニタリング結果の活用方法
モニタリング結果は、以下の3つの観点で分析し、コンテンツ戦略にフィードバックします。
1. 言及率の推移を追跡する
10のプロンプトのうち何個で言及されたかを「言及率」として数値化し、月次で推移を追跡します。例えば、3プラットフォーム合計30回の確認のうち12回で言及されていれば、言及率は40%です。この数値を継続的に改善していくことが目標になります。
2. 誤情報を検知して修正する
AIの回答に自社の情報が含まれている場合でも、内容が不正確であるケースがあります。サービス内容の誤り、価格情報の誤り、古い情報の残存などを検知した場合は、自社サイト上の情報を正確に更新し、構造化データも最新化します。
3. 競合との差分を把握する
同じプロンプトで競合他社がどのように言及されているかも確認します。競合は言及されているのに自社は言及されていない場合、競合のコンテンツや外部サイテーションの状況を分析し、差分を埋めるための施策を検討します。
よくある質問
Q1. 無料版のAI検索ツールでも言及確認はできますか?
はい、基本的な確認は無料版で十分に実施できます。ChatGPTの無料版、Gemini、Perplexityの無料版いずれも、ここで紹介した10のプロンプトを試すことが可能です。ただし、ChatGPTの有料版(Plus/Team)ではWeb検索の精度や回答の詳細さが向上するため、より正確な確認を行いたい場合は有料版の利用を推奨します。
Q2. 同じプロンプトを入力しても毎回違う結果が返ってきます。どう判断すればよいですか?
AI検索の回答には一定のランダム性があり、同じプロンプトでも異なる結果が返ることは想定内です。重要なのは「一度でも言及されたかどうか」ではなく、「複数回の確認で安定的に言及されるかどうか」です。同じプロンプトを3回以上試して、2回以上言及される場合はAIに認識されていると判断してよいでしょう。逆に、まったく言及されない場合は改善が必要です。
Q3. 言及されるようになるまでにどのくらいの期間がかかりますか?
改善施策の内容によって異なります。AIクローラーのブロック解除や構造化データの実装といった技術的施策は、実施後1-3ヶ月で効果が見え始めるケースが多いです。一方、コンテンツの充実やサイテーション獲得といった施策は3-6ヶ月程度の継続が必要です。いずれにしても、短期的な成果を求めるのではなく、月次のモニタリングで改善傾向を確認しながら取り組むことが重要です。
Q4. AI検索の言及確認を自動化するツールはありますか?
2026年4月時点では、AI検索の言及確認を完全に自動化できるツールはまだ限定的です。一部のSEOツールがAI検索のモニタリング機能を追加し始めていますが、精度やカバー範囲はまだ発展途上です。現時点では、本記事で紹介した手動確認の方法が最も確実です。自社のLLMO対策状況を効率的に把握したい場合は、LLMO対策スコア診断ツールを活用して対策の優先順位を明確にすることを推奨します。
まとめ
AI検索で自社が言及されているかを確認することは、LLMO対策の出発点です。本記事のポイントを振り返ります。
まずは本記事の10のプロンプトを使って、自社の現状を確認してみてください。現状把握ができたら、改善のロードマップを立てて段階的に取り組んでいくことが重要です。
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