カスタマージャーニーマップの作り方|BtoBテンプレート付き完全ガイド

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「カスタマージャーニーマップを作りたいが、BtoBの場合はどう作ればいいの?」「BtoCのテンプレートはあるけど、BtoB特有の複数関与者をどう表現する?」——カスタマージャーニーマップの必要性は理解しているものの、BtoBの複雑な購買プロセスにどう対応すればいいか悩む企業は多いのではないでしょうか。

この記事では、BtoB特化のカスタマージャーニーマップの作り方を6ステップで解説し、そのまま使えるテンプレートも紹介します。

カスタマージャーニーマップとは?BtoBで重要な理由

カスタマージャーニーマップとは、顧客が課題を認識してから製品・サービスを導入するまでの一連のプロセス(旅=ジャーニー)を時系列で可視化したフレームワークです。

BtoBのカスタマージャーニーマップがBtoCと大きく異なるのは、以下の3点です。

  • 購買関与者が複数: BtoBでは現場担当者、マネージャー、IT部門、経営層など、3〜7名が購買に関与する。それぞれの関心事が異なる
  • 検討期間が長い: BtoCが即日〜数日なのに対し、BtoBは1〜12ヶ月(場合によっては1年以上)
  • 合理的な意思決定: 感情よりもROI、導入実績、サポート体制などの合理的基準が重視される

このため、BtoCのカスタマージャーニーマップをそのまま転用しても機能しません。BtoB特有の構造に対応した設計が必要です。

ABMとカスタマージャーニーの関係についてはABMとは?基礎から実践までを参照してください。

BtoBカスタマージャーニーマップの5つの構成要素

BtoBのカスタマージャーニーマップは、以下の5つの要素で構成します。

要素1: 購買ステージ(横軸)

BtoBの購買プロセスを段階に分割します。

ステージ 顧客の状態 期間目安
課題認識 漠然とした問題意識を持つ
情報収集 解決策の選択肢を調べる 1〜3ヶ月
比較検討 候補を絞り込み、詳細を評価する 1〜3ヶ月
意思決定 社内稟議を経て導入を決定する 1〜2ヶ月
導入・定着 実際に使い始め、成果を評価する 1〜3ヶ月

要素2: 購買関与者(DMU)

BtoBの購買意思決定には複数の関与者(DMU: Decision Making Unit)が存在します。

  • 起案者: 現場で課題を感じ、解決策を探し始める人
  • 影響者: 情報収集・比較検討で意見を述べる人(IT部門、専門部署など)
  • 決裁者: 最終的に予算承認を行う人(部長、役員)
  • 利用者: 実際に製品・サービスを使う人

要素3: 行動・タッチポイント

各ステージで顧客がとる具体的な行動と、企業との接点(タッチポイント)を記載します。

要素4: 感情・課題

各ステージで顧客が感じている不安、疑問、期待などの感情と、直面している課題を記載します。

要素5: 施策・コンテンツ

各ステージの課題に対応する、自社のマーケティング・営業施策を記載します。

カスタマージャーニーマップの作り方6ステップ

Step 1: ペルソナを設定する

まず、メインのターゲット顧客像(ペルソナ)を設定します。BtoBの場合は「企業ペルソナ」と「個人ペルソナ」の2層で設定します。

企業ペルソナの項目:
– 業種/業界
– 従業員規模
– 年商規模
– 組織構造(意思決定のスピード感)
– 現在の課題

個人ペルソナ(起案者)の項目:
– 役職/部署
– 年齢層
– 業務上の課題
– 情報収集方法(検索、SNS、セミナー、業界メディアなど)
– 導入検討で重視するポイント

Step 2: 購買プロセスを定義する

自社の商材に合わせて、購買プロセスのステージを定義します。既存顧客へのヒアリングが最も有効な情報源です。

ヒアリングで確認すべきこと:
– 「最初にどうやって当社を知りましたか?」
– 「情報収集時にどのような方法で調べましたか?」
– 「比較検討時に最も重視したポイントは何ですか?」
– 「社内での稟議はどのように進みましたか?」
– 「導入を決めた最終的な決め手は何でしたか?」

リード獲得チャネルの全体像はBtoBリード獲得の方法10選を参照してください。

Step 3: 各ステージの行動とタッチポイントを洗い出す

購買プロセスの各ステージで、顧客がとる行動と企業との接点を具体的に書き出します。

例(ITツール導入の場合):

ステージ 顧客の行動 タッチポイント
課題認識 業務効率の低さに課題を感じる
情報収集 「○○ツール 比較」で検索、業界メディアの記事を読む SEO記事、ホワイトペーパー、SNS
比較検討 3社に絞り込み、製品デモを申し込む サービスサイト、メール、Web商談
意思決定 社内稟議用の資料を作成、ROI試算を行う 提案書、見積書、導入事例
導入・定着 トライアル開始、社内展開 オンボーディング、サポート

Step 4: 感情・課題を記入する

各ステージで顧客が抱える不安や疑問を記入します。

例:
課題認識: 「何が問題なのか整理できていない」「上司にどう説明すればいいか」
情報収集: 「情報が多すぎて比較できない」「自社に合うのはどれか」
比較検討: 「本当にROIが出るのか」「導入に失敗したらどうなるか」
意思決定: 「稟議が通るか不安」「決裁者を説得する材料が欲しい」
導入・定着: 「現場に定着するか」「サポートは十分か」

Step 5: 各ステージに対応する施策を設計する

顧客の課題に対応するマーケティング・営業施策を設計します。

ステージ 顧客の課題 対応施策
課題認識 問題を言語化できない 課題提起型のSEO記事、SNS投稿
情報収集 比較軸がわからない 比較ガイド、ホワイトペーパー、セミナー
比較検討 ROIに確信が持てない 導入事例、ROI試算ツール、製品デモ
意思決定 稟議書の作成が大変 稟議用テンプレート、経営層向け資料
導入・定着 現場に定着するか不安 オンボーディング支援、活用事例

ナーチャリング施策の具体例はリードナーチャリングメール例文10選を参考にしてください。

Step 6: マップとしてまとめ、チームで共有する

上記の情報を1枚のマップとして整理します。

【テンプレート】BtoBカスタマージャーニーマップの具体例

以下は、BtoB SaaS製品を想定したカスタマージャーニーマップのテンプレートです。

■ ペルソナ: 製造業(従業員200名)の営業部長、45歳。属人的な営業管理に課題を感じている。

課題認識 情報収集 比較検討 意思決定 導入・定着
行動 部下の日報管理が限界と感じる 「営業管理 ツール」で検索 3社のデモを実施 稟議書作成・経営会議で提案 トライアル開始
タッチポイント SEO記事、比較サイト サービスサイト、Web商談 提案書、見積書 オンボーディング
感情 「このままではまずい」 「いろいろあって迷う」 「うちに合うのはどれ?」 「通るかな…」 「使ってもらえるかな」
課題 問題の言語化 比較軸の整理 ROI確認 決裁者の説得 現場の定着
自社施策 課題提起記事 比較ガイドWP 導入事例・ROI試算 稟議テンプレート 活用事例・定例MTG
担当 マーケ マーケ IS+FS FS CS

このテンプレートを自社の商材に合わせてカスタマイズしてください。

コンテンツマーケティングの全体設計はコンテンツマーケティングの始め方で解説しています。

カスタマージャーニーマップを活用した施策設計

カスタマージャーニーマップは「作って終わり」ではなく、日々のマーケティング・営業活動に活用してこそ価値があります。

活用法1: コンテンツ戦略の設計

ジャーニーマップの各ステージで「自社のコンテンツが不足しているステージ」を特定し、優先的にコンテンツを制作します。多くのBtoB企業では、MOFU(比較検討段階)とBOFU(意思決定段階)のコンテンツが不足しています。

活用法2: MAのシナリオ設計

MAツールのナーチャリングシナリオを、ジャーニーマップの購買ステージに対応させて設計します。「課題認識段階のリードにはTOFUコンテンツを」「比較検討段階に進んだリードにはMOFUコンテンツを」と、段階に応じたコンテンツ配信を自動化します。

活用法3: マーケティングと営業の共通言語

ジャーニーマップを「マーケティングと営業の共通言語」として活用することで、MQL/SQLの判定基準の議論や、商談化率改善の施策検討がスムーズになります。

よくある質問

Q. カスタマージャーニーマップは何人で作るべきですか?
マーケティング、営業、カスタマーサクセス(CS)の3部門から各1〜2名、計3〜6名のワークショップ形式で作成するのが理想です。営業の顧客理解とマーケの俯瞰視点を掛け合わせることで精度が上がります。

Q. ペルソナは何パターン用意すべきですか?
最初は1〜2パターンに絞ることをおすすめします。メインのターゲット顧客像で1枚、サブターゲットで1枚。多すぎると活用しきれなくなります。

Q. カスタマージャーニーマップはどのくらいの頻度で更新すべきですか?
半年〜1年に1回の見直しを推奨します。市場環境や顧客の購買行動が変化しているため、古いジャーニーマップはミスリードの原因になります。

Q. 既存顧客へのヒアリングは何社行えばいいですか?
最低5社、理想は10〜15社です。共通パターンが見えてくるのが5社目以降のため、最低ラインとして5社は確保しましょう。

Q. BtoBで購買関与者が多い場合、全員分のジャーニーを書くべきですか?
いいえ。まずは「起案者(現場担当者)」のジャーニーを1枚作成し、必要に応じて「決裁者」のジャーニーを追加するのが実践的です。全員分を一度に作ろうとすると複雑になりすぎます。

まとめ

カスタマージャーニーマップの作り方について、要点を整理します。

  • カスタマージャーニーマップは顧客の購買プロセスを時系列で可視化するフレームワーク。BtoBでは「複数関与者」「長い検討期間」「合理的意思決定」の3点がBtoCと異なる
  • 5つの構成要素: 購買ステージ、購買関与者(DMU)、行動・タッチポイント、感情・課題、施策・コンテンツ
  • 6ステップで作成: ペルソナ設定→購買プロセス定義→行動・タッチポイント→感情・課題→施策設計→マップ化
  • 活用法はコンテンツ戦略、MAシナリオ設計、マーケ・営業の共通言語の3つ
  • 最初は1ペルソナで1枚から始め、半年〜1年で見直すのが現実的
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